2018年4月19日

圧縮性と体積弾性係数

1.3 流体の基本的性質

1.3.6 圧縮性と体積弾性係数
    例えば、圧力$P$において体積$V$の気体があるとしよう。これに圧力を$\triangle p$だけ加えると、流体の体積は$V+\triangle V$ $(\triangle V<0)$となる。このとき、圧力増加$\triangle p$$P$に比べて小さければ、体積変化率$-\triangle V/V$$\triangle p$に比例すると考えられる。この関係を式に表すと、

$\triangle P=-K \dfrac{\triangle V}{V}$

となる。このとき比例係数$K$[Pa]を体積弾性係数と呼ぶ。この逆数を圧縮率という。[1] 圧縮率は計算を安定化させるために数値解析で用いられることもある。

    気体の体積弾性係数は圧縮するときの条件により大きく異なる。温度一定の気体の状態変化(定温変化)では$n=1$において、

$pV=RT=c (cは定数)$

が成り立つ。[1] また、圧縮変化が一瞬で終わるような場合は、周りの気体と熱の交換がないと近似できる。このような変化を断熱変化といい、

$pV^{\gamma}=c (cは定数、\gammaは定圧比熱cpと定積比熱cvの比)$


で表すことができる。$\gamma$は1原子分子の理想気体では5/3、2原子分子の理想気体では7/5になる。[1]


参考文献
[1]: 同志社大学工学部 水島 二郎, 流れ学